届いています! みんなの声:組合員さんとともに「九州のカットほうれん草」のおいしさの秘密を学びます。イシハラフーズ その1

2019年03月19日

今回のラブコープ商品 工場・産地交流会でお邪魔するのは宮崎県。学習する商品は下ゆで・アク抜き不要でカット済み、お料理に手軽に緑を添えられる冷凍野菜として大人気の「CO・OP九州のカットほうれん草」です。メーカーのイシハラフーズにお邪魔して、ほうれん草の育て方や製造方法について学びます。

国産の冷凍ほうれん草は15%、そのうち約7割が宮崎県産。

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まずは冷凍ほうれん草の動向や宮崎県の農業、そしてイシハラフーズのことを勉強。冷凍ほうれん草の利用は、年々伸びていますが、その中心は中国産(約80%)で、国産は15%のみ。その15%の内の7割を宮崎県産の冷凍ほうれん草が占めています。 コープでは、全て国産の産地、栽培管理の明確なほうれん草のみを扱っています。

「企業農業集団」イシハラフーズ。

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イシハラフーズは、1973年に都城の特産物を取り扱う青果の会社として創業。その後「全国に旬の野菜を届けたい」という思いで、7年後に冷凍食品加工をスタートしました。大きな特徴は畑(以下、圃場と表記)の土作りから種を植えて収穫し、加工、袋詰め、残留農薬や土壌の診断まで自分たちで行なっている点です。スローガンには「企業農業集団」を掲げ、たくさんのこだわりを実現するための試みを進めています。 現在は、ほうれん草のほかにも、年間を通して小松菜や枝豆、ささがきごぼう、さといもなど多品種の冷凍野菜を製造、それぞれの作物の旬の時期に合わせ年間計画を立て、たくさんの冷凍野菜を全国の生協に供給しています。

自社栽培の圃場が680箇所に点在。その理由は?

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イシハラフーズのほうれん草はハウス栽培ではなくすべて露地栽培。生鮮のほうれん草より長く成長させることと、冬場の旬の時期の栽培のため、味の深いほうれん草になっています。 圃場は230ha、ディズニーランド5つ分ほどの面積があり、都城から隣の鹿児島県まで点在しています。「点在」という言葉の通り、圃場はひとかたまりになっているのではなく細かく分かれ、その数はなんと680箇所。もともと地元の契約農家さんから原料となる野菜を仕入れていましたが、生産者の高齢化に伴う耕作放棄地の増加という理由から、現在では自社栽培に切り替えています。農家の皆さんから土地を買い取ったり借りたりしながら時間をかけて自社圃場の拡大を進めたので、自社栽培の圃場のお隣に別の農家の畑があることも珍しくありません。種まきも草取りも刈り取りも、一度に面倒を見ることができないので、非効率な面もありますが、少しでもおいしくて価格が抑えられるように、さまざまな仕組みや工夫が試みられています。

多くの圃場管理を支える、農産部の精鋭と徹底的に効率化された仕組み。

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680箇所もの圃場の管理をしているのは、イシハラフーズの「農産部」の皆さん、総勢なんと18名です。ちょっと少ないような気がしますが大丈夫!マンパワーを補うのは、徹底的に効率化されたシステムです。まず圃場ごとの土壌や生産能力やその他さまざまな要因を踏まえ、必要な冷凍野菜の作物ごとの生産量が割り当てられ、圃場ごとに播種や中間作業や収穫などの作業量や時期、必要な人員を逆算し綿密に栽培計画が立てられます。その計画に基づき、農産部の担当者が車両とともに圃場に集合、計画通りに作業を行います。このエネルギーを分散させずに一気に集中して無駄なく作業する、このシステマチックな農業が「企業農業集団」であるイシハラフーズの真骨頂です。

生育状況や作業などあらゆる情報が蓄積した看板。

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なぜ、そのような仕組み化された農業が可能なのでしょうか?秘密は圃場ごとに建てられたこの看板にあります。この看板に表示された二次元コードに担当者が端末をかざすことで、圃場の管理番号、作業を行なった担当者などの基礎情報、生育状況の記録や散布された農薬の種類や量、作業時間や経費など、栽培に必要なありとあらゆる情報にアクセスできます。 作業者は画面でその日に行うべき作業を確認し、作業完了後は情報を記録します。このシステムによって、作物は最もおいしい旬の時期を逃さず収穫することが可能になり、蓄積された情報はまた次の年の生育計画へと生かされます。さらにこの圃場の情報は工場の加工工程、残留農薬や土壌診断の際にも参照され、安全性を担保する情報としても活用。冷凍野菜の製品となった後もロット番号を打ち込むと、イシハラフーズのホームページから、どの圃場でどのように栽培された原料が使用されたかを追跡することができます。

大人気の理由は収穫適期を見逃さず、製品化する工場にも

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徹底的に仕組み化された農業によって、分散する圃場や少ない人員という不利な条件を跳ね返すイシハラフーズの冷凍ほうれん草。そのおいしさの秘密は長期間の栽培、旬を逃さず適期に収穫することに加え、収穫から素早く冷凍するというスピードにも理由があります。圃場からの運搬、原料の受け入れから計量、複数ある洗浄工程や異物の除去、人の目視による選別、原料の色や形状を識別する機械選別、カット、下ゆでとアク抜き、あら熱取り、脱水、急速冷凍、冷凍庫への一時保管、とざっと書いただけでもこれだけある工程を収穫後最短2時間以内に、鮮度を保ったまま完了することができます。旬のほうれん草のおいしさと栄養をあっという間にぎゅっと閉じ込めてしまう、イシハラフーズが作る「CO・OP九州のカットほうれん草」が全国のコープで受け入れられる理由です。

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見える化と仕組み化で、圃場と人と工場が一体となった最先端の農業にびっくり!さまざまな工夫をたっぷり勉強した後はそのおいしさを実感する試食の時間です。

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