2016年08月24日
2016年7月に行われたラブコープ商品工場・産地交流会、今回のテーマとなる商品は、1994年の発売以来、どんなお料理にも合うと好評の「CO・OPたまごスープ」をはじめ「CO・OP沖縄県産もずくスープ」「CO・OP野菜の美味しいスープ」などのフリーズドライのスープ。製造している工場は、マルちゃんでおなじみ東洋水産株式会社の子会社、八戸東洋株式会社。青森県八戸市の桔梗野工場にうかがい、フリーズドライ製品ができるまでを学びました。
2016年08月24日
2016年7月に行われたラブコープ商品工場・産地交流会、今回のテーマとなる商品は、1994年の発売以来、どんなお料理にも合うと好評の「CO・OPたまごスープ」をはじめ「CO・OP沖縄県産もずくスープ」「CO・OP野菜の美味しいスープ」などのフリーズドライのスープ。製造している工場は、マルちゃんでおなじみ東洋水産株式会社の子会社、八戸東洋株式会社。青森県八戸市の桔梗野工場にうかがい、フリーズドライ製品ができるまでを学びました。
八戸東洋の常務取締役島崎さんによるフリーズドライの原理の解説からスタート。 フリーズドライとは、高温加熱で食品にダメージを与えることなく食品を乾燥させるために、原料と調味料を仕込んだスープを凍結(=フリーズ)と真空乾燥(=ドライ)という工程で、食品に残る水分を蒸発させる食品加工技術。
氷点下以下の温度で、固体を気体に変化させるフリーズドライ技術の原理を「地上で水が沸騰するのは100℃、これが1気圧です。富士山の頂上では2/3気圧と気圧が下がるので、沸点は87℃にさがります、これを応用したのがフリーズドライで、約1/1500気圧に下げることで、氷点下で氷が水蒸気になります。スープはおいしいままフリーズドライ製品になります」と、まるで理科の先生のようにわかりやすく解説していただきました。
フリーズドライの製品を見ると、小さな穴が空いています。これがもともと水分があったところ。 凍っている状態から水分が蒸発したので、穴が空いた状態になっています。 お湯をそそぐと、この小さな穴にお湯が入っておいしいスープが再現されます。
もともとは缶詰に代わる軍隊の携行食として生まれたフリーズドライ製品。持ち運びしやすい、保存が効くというメリットのほか、味にも優れた点があります。フリーズドライは、缶詰やレトルト食品など他の保存食とは違い、素材の味、食感、香り、栄養成分が生きるのが特徴。低い温度で乾燥させることで、素材の変性が起こりにくく、これが、味や食感、香りをそのまま楽しむことができる理由なんです。
「CO・OPたまごスープ」の人気の秘密は、スープの中のかき玉が口の中で広がるふわふわした食感。「たまごの花が咲く」とも言われる、そのふわふわ感を出すために、いくつかの秘密があります。 一つめは、原料の液卵。割卵し、こしただけの新鮮な卵を使う事が、ふわふわしたたまごスープの食感をだすためには欠かせません。
ふわふわ感のもう一つのポイントは、この「ニーダー」と呼ばれる煮込み釜。原料の卵と調味料を攪拌させて仕込む工程では、料理人と同じようなかき混ぜ方、時間・温度、量などが細かく決められています。ふわふわ感を保つための、とても大切な工程です。
「CO・OP沖縄県産もずくスープ」が、お湯をそそぐだけでシャッキリちゅるんとした歯ごたえでおいしくいただけるのも、急速凍結と真空乾燥のフリーズドライ製法だからできることなんです。
「CO・OP沖縄県産もずくスープ」の原料となるもずくは沖縄の海の中で育っています。もずくの刈り取りでは、もずく以外の海藻、小さな虫、釣り針など、さまざまな異物が混ざっています。 工場の中ではこれらの異物を取り除くために、原料の洗浄の後、複数回の「選別」という工程で、人の手で丁寧に取り除いています。
異物の除去は工場の中だけではありません。 収穫の際には、少しでも余計なものを混入させないように生産者である漁師さんにお願いして、網のほつれ具合を定期的に点検するなど、品質向上のためのノウハウの共有や、意識の向上を目的とした学習会を毎年実施しています。
製造工程とフリーズドライの説明に続いて、パッケージの改善ポイントを報告。 「原材料は買う時にはチェックするけど、買った後はほとんど見ない。買った後に繰り返し見るのは作り方と賞味期限」という組合員の意見から、パッケージの裏の大きなスペースに作り方と賞味期限、そして大きく「熱湯160ml」という表示を、側面のスペースには原材料を表示することにしました。 「わかりやすくなったわ」と、参加者からも好意的な感想をいただくことができました。
フリーズドライの製品のことや製造方法を勉強した後は、お楽しみの試食の時間。 定番のたまご、もずく、野菜のスープのアレンジレシピの紹介や新商品も登場します。