2015年2月19日~20日
続いて、うなぎの養殖池と加工工場がある大隅地区を訪ねました。大隅半島の肝属(きもつき)平野の中央に位置しています。2015年2月19日~20日
続いて、うなぎの養殖池と加工工場がある大隅地区を訪ねました。大隅半島の肝属(きもつき)平野の中央に位置しています。大隅地区は、周囲を山に囲まれた内陸の地です。桜島が噴火した際の火山灰や軽石などからなるシラス台地で、ミネラル分を含んだ殺菌力のある弱酸性の地下水が豊富です。
元々スイカやピーマンの栽培が盛んでしたが、豊富な水を生かして、うなぎの養殖が始まったのは1970年代。今では全国でも有数の養殖うなぎの一大産地となりました。
日本生協連との取引も20年以上の歴史があり、現在、大隅地区養まん漁業組合で生産加工されるうなぎの90%は生協向けとなっています。生協と共に発展してきた産地のひとつです。
生産者の1人、楠田利浩さんを訪ね、うなぎ養殖の現場を見せていただきました。
楠田さんの養殖池は山の谷間に作られたビニールハウスの中にあります。といっても、台風の多い土地柄なので、鉄骨で組まれ、3重張りのビニールで覆われた頑丈なものです。
かつては、露地に池を作り、養殖をしていたそうです。夏場にうなぎは大きく育つことから、水温を上げて育ててみるとえさをよく食べ、早く育つことがわかりました。そこでビニールハウスの中に池を作り、ボイラーで水温を上げる加温式の池で養殖を始めたとのことでした。
楠田さんは100坪のビニールハウスを22棟、166坪を9棟を所有しています。ハウスの中のコンクリートでできた養殖池は水深は1メートル。底には石が敷いてあり、この石を温めて水温をあげています。中をのぞくと、「眼鏡がくもるわ!」との声があがるほど蒸気が立ちのぼり、ムッとするような蒸し暑さでした。それもそのはず、池の水温は30度もあるのです。うなぎは水温30度のときに最もえさを多く食べるそうで、これより下がっても、上がってもえさの食い付きが悪くなり、うなぎの肉付きに影響が出てしまうのだそうです。
大隅産うなぎ蒲焼き