主にコープ商品のお申し出品検査として実施しています。「いつもと違うにおいがする」「薬品臭がする」というようなお申し出が寄せられたとき、異常性の評価とその原因の手がかりを得るために行っています。フードディフェンスの観点から迅速に異常を検知するために検査項目として導入されました。

検査項目の1つとして、下記の検査で実施されます。

  • お申し出品検査

検査の紹介

お申し出内容や商品特性などと照らし合わせてヒトによる「嗅覚官能検査」を行い、そこで捉えた異臭について「GC/MS分析」(ガスクロマトグラフ質量分析)や「におい嗅ぎGC分析」などの機器を用いた臭気分析を行って、総合的な評価をしています。

1嗅覚官能検査員の選定と定期的なトレーニングの実施

嗅覚官能検査員は5基準臭試験で検査に必要な嗅覚を有することを毎年確認しています。さらに、年数回の嗅覚官能トレーニングを受講することを条件に選定しています。

2嗅覚官能検査

複数名の嗅覚官能検査員がお申し出品のにおいを確認します。そのにおいの質や強さを判定し、異常性が認められた場合は機器を用いた臭気分析につなげます。
ヒトによる「嗅覚官能検査」は機器を必要とせず迅速な確認が可能です。さらに機器よりもヒトの方が高感度に捉えられることが多く、商品本来のにおいの中から異臭を検知することができるため、機器を用いた臭気分析の前に実施しています。

3臭気分析(GC/MS分析、におい嗅ぎGC分析)

嗅覚官能検査で確認した異臭について機器を用いて分析し、異臭原因物質を特定します。
※におい嗅ぎGC分析:ヒトの嗅覚を併用して、異臭原因物質の特定を行う分析手法

4異臭の発生原因の推定

異臭検査で特定した異臭原因物質の発生要因を推定します。その内容を関係部署と共有し、異臭原因の特定や商品対応判断、改善活動につなげます。

におい物質と嗅覚閾値について

においには、それを感じさせる様々な物質があります。これらの物質は、単独でもにおいとして感じられますが、複数の混合物でにおいとして感じられている場合が多くあります。
これらにおい物質には、とても薄い濃度では何も感じられなくても、濃くなるとそのにおいを感じられるようになる濃度があります。この濃度のことを嗅覚閾値(きゅうかくいきち)と言います。嗅覚閾値はにおい物質によりそれぞれ異なっていて、低いものと高いものでは100万倍程度の違いがあります。この値が低い物質ほど微量でも感知されます。
なかには、機器で分析できないくらい低い濃度でもヒトがにおいとして感じられる、嗅覚閾値の低い物質もあります。