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コープ商品開発ストーリーVol.15 ただの炭酸水 甘さも香りもくわえていないノンシュガー・ノンカロリーのシンプルな炭酸水。

地下200mの深井戸水「甘木の水」を使用した、
水と二酸化炭素のみの素朴な炭酸水。
ジュースやお酒などに加えるだけで簡単にオリジナルドリンクが
作れるのはもちろん、爽やかなシュワシュワ感のある
飲み心地だからそのまま飲んでもすっきりおいしく楽しめます。

この方に伺いました!
人見 昭生
1995年~2006年1月
菓子・飲料を担当

ヨーロッパでは「ガス入りの水」がミネラルウォーターと同じように飲まれていました。

当時は「炭酸水」という言葉も珍しかったそうですがそもそも開発のきっかけは何だったのでしょうか?

 開発をスタートさせた1996年~1997年頃は、まだ日本国内では、ミネラルウォーターでさえもお金を払って買う飲料としての認識はなく、利用者も限られていました。またコープ商品も1Lの紙パックが全国で展開され、今のようにPET製品を広く展開できる状況ではありませんでした。
 しかし2000年以降、ミネラルウォーター市場は一気に広がりを見せ、低価格化も進み、増加の一途をたどりました。その一方、海外、特にヨーロッパでは、瓶入り・PET入りのミネラルウォーターの他、ガス入りの水(鉱泉水)が多く出回っていました。実際レストランやホテルでも、“With Gas”と呼ばれミネラルウォーターの一種として浸透しており、それはそのまま飲んでもおいしく感じられるものでした。

日本でも消費が増えることを予想しました!

そんな経験から、いずれ国内でも「水」を買うという消費行動は一般化し、ヨーロッパですでに広く受け入れられているガス入りの水も、その延長で消費が増えるのでは、と考え、「ただの炭酸水」の開発をはじめることにしたのです。

「できるだけシンプルに、そのまま飲んでもおいしい炭酸水」をめざしました。

「ただの炭酸水」の開発においてこだわったのはどんなことですか?

 当時、国内ではすでに350ml瓶入り(一部缶入り)のガス入りミネラルウォーターが存在していました。しかしその取扱いはお酒コーナーで、基本的に飲むときは洋酒等で割るものと考えられており、そのまま飲むにはあまりおいしく感じられるものではありませんでした。そこで、お風呂上りや暑い日に、また、カロリーや甘さを気にされている方にも、“そのまま飲んでもすっきりおいしいと思っていただける”炭酸水の開発を決めました。

そのままでもパーティメニューにも!

 もちろん、ジュースや梅酒、夏に余った氷蜜などを加えていただければお好みの炭酸飲料も楽しめますし、フルーツ缶やカットフルーツなどを使えば、簡単にフルーツポンチなどのデザートにもご利用いいただけ、パーティーメニューの一品にもなります。
 「ただの炭酸水」を、そのような“素材型飲料”として提供することで、組合員さん自身がメニューを考え、楽しんで一工夫していただきながら、商品を通じてコミュニケーションが図られる、そんな広がりのある商品になるのではないかという期待もありましたね。

いろいろ合わせて、オリジナルの味を楽しんで♪

おいしさを追求するため、炭酸ガスと相性の良い水を見つけるのは大変でした。

とてもシンプルな商品設計ですが、開発中、苦労された点はありましたか?

 炭酸水の原料は、「水」と「二酸化炭素(炭酸ガス)」のみ。ですから苦労したポイントは、そのシンプルな設計の中で、おいしさをどう創造するのか、ということでした。炭酸ガスには選択の余地がなかったので、そのガスと相性の良い水を探ることが課題となりました。
 当初、メーカーさんからは、少し離れた山奥の「湧水」をタンクローリーで工場内に持ち込むことをご提案いただきました。確かに湧水と聞くとおいしそうなイメージもわきますし、実際に私たちもその現場に行き試飲をしたところ、おいしい!とは思いましたが、やはり工場まで持ち込むためのコストや、品質管理上の問題が懸念されました。そこで私の方から、試しにふだん工場で使用している「市水※」と、その湧水の味を比較してはどうかということを提案。それぞれの水にガスを混入させ、工場内でブラインドテストを実施しました。するとテストの結果、「湧水」の味に対する優位性はなく、「市水」でも十分すっきりと美味しく感じられることがわかったのです。

 そもそもこの工場が位置する「甘木(現在の朝倉)」は水の豊かな地区であり、また工場敷地内にあった200mの深井戸からの水も利用していたこともあり、再度、「湧水」「市水」「深井戸水」の3つのサンプルにガスを入れたものを用いて、試飲を行いました。その結果、そのまま飲んで最もおいしく、クセがなかったのが深井戸水だったのです。
 実は、メーカーであるふくれんさんも、この商品が炭酸ガス製品の第一号でした。当時は、製造ラインが建設中でテスト用の充填機もなかったので、発売前の商品会議や展示会の度に、開発室において1本1本手作業で何十本も詰めていただきました。大変だったと思いますが、その苦労のおかげでこの味わいが実現できたと思いますので、とても感謝しています。

※市水・・・一般的に水道水のことです。

炭酸ガスと相性の良い水がおいしさの秘密!

シンプルなデザインと名前、そして機能性が人づてに伝わり、多くの方に親しまれています。

「ただの炭酸水」は発売開始から13年経ち今も人気ですが、その理由は何だと思いますか?

 飲料業界は毎年おびただしい数の新規商品を世に出し、インパクトのあるイメージ戦略の広告が繰り広げられ、市場に出ては消えていきます。その中で、「ただの炭酸水」がコープ商品として永く組合員さんに受け入れられ続けるには、ご利用いただいた組合員さんが、飲んで、使って、その良さを実感し、ほかの方にその魅力を伝える、そのような“人から人へつながっていく”商品にする必要があると思ったのです。
 そこでまずは愛称で呼ばれ、親しまれる商品名にしたいと思いました。原材料である「水」と「炭酸ガス」から、「ただの炭酸水」とシンプルにし、通称「ただ炭」と呼びやすさを追求しました。

「水」をイメージしたパッケージデザイン!

またデザインも、「水」をイメージさせるブルー系の配色に、文字で「水」を強調、水源を明確にし記憶に残りやすくするとともに、余計なものは省いたシンプルなものにしました。
 開発にあたって、そのまま飲まれる方が約3割程度はいるのではと想定しましたので、サイズにもこだわりました。350mlだと飲み残し、開缶後ガスが徐々に抜けることから、飲みきれるサイズとして200mlを選定。入数も通常30本入りだったものをこの商品から24本入りに変更し、お買い求めやすさや、持ち運びや家庭内保存の良さも追求しました。その後、使い勝手の良いPET容器とボトル缶も登場し、多くのファンに支えられ容器も広がりを見せています。
 初回製造(98年3月5日)は1026ケース(約2万5000本)でしたが、翌年(98年度)1年間の実績は46.367ケース(約111万本)。その後「レモン果汁入り」を新たに販売し、2010年度実績では200ml缶982千ケース、さらに500mlPETと500mlボトル缶の登場で967千ケースと、合わせて約195万ケース(4680万本)となりました。98年度から13年間で実に約42倍の規模となり、多くの組合員さんに喜ばれて利用されています。

ラインナップ

そのまま飲んでも、ジュースやお酒と割ってもすっきりおいしい!ただの炭酸水

(取材は2011年7月実施)

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