特別な、あたりまえ ストーリー

収穫の最盛期を迎えた、広大な農地でのびのびと育つ枝豆。
生協が取引しているJA中札内村の生産者は、農薬の使用を制限し、環境、健康、生命に配慮した「資源循環型農業」を推進している。

  • 山本勝博さん

    山本勝博さん

    十勝農業協同組合連合会会長
    中札内村農業協同組合 代表理事 組合長

    JA中札内村の組合長。「当時、冷凍枝豆の生産は全国でここだけ。小さな村から全国に展開していくためには、生産者の意識改革が大切でした」。年間3~4回の研修会を持ち、輪作体系と肥料・農薬に関するマニュアルを徹底させています。

  • 佐藤充孝さん

    佐藤充孝さん

    生産者

    枝豆作りを始めて10年。「農協との約束通りに、輪作体系を守って作付けしてきました」。地域生産者の間で長年培われてきた経験を引き継ぎ、中札内村の枝豆のおいしさを作り上げています。

北海道のそのまま枝豆

北海道のそのまま枝豆

旬の枝豆を収穫後ゆでて急速冷凍。塩味付きでそのまま食べられる。

※JA中札内村は産地の一つです。

本当に甘くてビックリしました。おいしかったです。

塩味が強すぎず、薄めなのがとても良い。

珍しかった冷凍枝豆生産に着手

ここ北海道・中札内村で枝豆の栽培が始まったのは1983年。自家用に作っていた枝豆が生協に持ち込まれ試食したことをきっかけに、取引が始まります。「最初の3年は、5軒の農家で100~200キロの小さな単位からの取引の始まりでした」と語るJA中札内村組合長の山本さん。

枝豆の生育から収穫期にあたる夏、中札内村は昼夜の寒暖差が大きく、自然と豆の甘みが増していきます。「小粒ながら甘みがある中札内村の枝豆は、当然人気が出てきました。そんな中、年間の安定供給のニーズに応えるべく、1992年からは液体窒素を使う冷凍加工に切り替えることにしたのです」。

二人三脚で全国供給へ

「『冷凍の枝豆? そんなもの買う?』となれば、なかなか販売網は広がりません。でも生協さんのご理解と後押しがあって、全国のみなさんに食べていただける枝豆事業にまでたどり着けました」と山本さん。台湾や中国産との価格競争もあり、販売に苦戦することもありましたが、JA中札内村では生産者の意識改革を図り「安全・安心」と「おいしさ」を追求していきました。

産地での厳格な栽培管理と安定供給のできる商品管理、そして生協での販売実績という二人三脚で「そのまま枝豆」は長く愛され続けるロングセラー商品へと育っていったのです。

旬を閉じ込める「瞬間凍結」

枝豆は鮮度がいのち。JA中札内村では収穫してから約3時間以内に急速冷凍加工します。工場では、ていねいに洗った枝豆を画像センサーで選別し、ムラなく加熱。味付け後は、マイナス196度の液体窒素を吹きかけるなどして瞬間凍結します。収穫したときそのままの鮮度・味・色・品質を一瞬で封じ込めて箱詰めにし、冷凍庫で保管されます。

8月~9月の収穫シーズンは、畑も工場もフル稼働。JA中札内村では一番良い味のタイミングで収穫するために、全生産者121軒の作付管理から生育状況まで把握しています。

あたりまえのおいしさと安全を

2002年に輸入野菜の残留農薬が問題になって以降は、組合員から安全な国産野菜を求められるようになりました。

生産者は、JAの指導による約束事を徹底して守り、栽培にあたっています。期間を定めて違った種類の作物を植える「輪作」で連作障害を防ぎ、肥料・農薬は指定されたものを用います。農薬管理も厳格です。残留濃度が規定より少しでも多く出た場合は、収穫できません。

「中札内村では他作物の農薬が飛ばないように背の高いえん麦で畑を囲む『額縁栽培』を実施。畑をひと目見て『安全な枝豆畑』と分かっていただけるはず」とは生産者の佐藤さん。

日本生協連商品担当の長谷部さんも、シーズンには足繁く産地に通い、生産者と顔を合わせて状況を聞いています。あたりまえのおいしさと安全は、産地と生協の信頼のつながりで、確かなものとなっています。

コープの商品担当者に聞く

日本生協連 冷凍食品部
長谷部俊哉

収穫シーズンは週に一度産地に伺い、直接生産者と顔を合わせて生育状況を聞きます。「あたりまえのおいしさと安全・安心は、生産者の努力があってこそ。強いこだわりと自信を持って取り組んでもらっています」。生産者とのタッグを先輩から受け継ぎ、長年続くロングセラー商品として育てています。

#Column

「そのまま枝豆」ネーミングの由来

発売当時、一般的に流通していた台湾や中国から輸入された冷凍枝豆は、家庭で解凍した後ゆでて、さらに塩味を付けて食べるというものでした。工場での加熱時間をより長く(ロングブランチング)し、塩水に浸けてから冷凍することで、解凍すれば味付けなしでそのまま食べられるようになったのです。それが長い間親しまれている「そのまま枝豆」という名前の由来となっています。

#Column

適切な熟度の見極めがカギ

枝豆は、大豆がまだ熟さないうちに収穫したものであることをご存じですか? 熟す前の大豆を枝ごと取って食用にすることから「枝豆」と呼ばれるようになりました。生長が進むと実は大きくなりますが甘みは落ちます。しかし収穫が早すぎれば実は小さいまま。JA中札内村では、生産者の畑ごとに作付けの順番を管理し、一番おいしい熟度を見極めて収穫。鮮度が大切な枝豆は、収穫から3時間ほどで製品に加工しています。

全国からのおいしいという声に応えるべく、今日もたくさんのミックスキャロットが生まれている。

  • 桜井克治さん

    桜井克治さん

    ゴールドパック株式会社
    専務取締役 品質保証本部長

    長野県に本社を置くゴールドパックで勤続37年の桜井さんは、ミックスキャロットの歴史や業界の変遷を知る大ベテラン。「長く愛され続けるには、味のイメージを損なわず、時代に応じた味作りを継続することが大切だと考えます」

  • 清水由香利さん

    清水由香利さん

    ゴールドパック株式会社
    企画開発本部 商品開発部

    「私も子どものころにミックスキャロットを飲んでいて、今は自分の子どもたちに飲ませています。世代を超えて話題になる商品であり続けたいですね」

ミックスキャロット

ミックスキャロット

にんじんに7種の果汁をミックス。すっきりと飲みやすい味が人気の理由。
大人から子どもまで幅広い年代で愛され続けるミックスキャロット。味だけでなく、パッケージにも時代ごとの「声」を取り入れ、ニーズに応えてきた。

味が良く、後に残るさっぱり感も良い。にんじんの含有割合と果汁が絶妙。

3歳のころから飲んでた息子は26歳になった今でも大好き。

子どもたちに飲ませたい

「自然な甘みがおいしい」「家族みんなで飲んでいる」̶̶1981年に発売したミックスキャロットは、「にんじん嫌いの子どもに、にんじんを摂らせたい」という組合員の声をきっかけに誕生した商品です。

発売当時、にんじんを主原料にした飲料はまだ一般的ではありませんでした。飲料メーカーのゴールドパックは、野菜ジュースの製造においては業界のパイオニア。にんじんジュースもいち早く製品化していました。しかし、にんじん特有の風味が市場になかなか受け入れられず、おいしいジュースにするための模索が続いていました。

ゴールドパックで20年間ミックスキャロットの製造に携わってきた専務取締役の桜井さんは、「味作りのヒントになったのは、生協さんの『子どもたちに飲ませたい』という願いだった、と聞いています」と語ります。

おいしさへの試行錯誤

組合員の子どもにアンケートをとると、子どもが求めるのは「少し甘め」の味。だからといって砂糖や香料を加える選択肢はありません。桜井さんは「お子さん向けでもあるので、素材だけでおいしさを表現することにこだわりました」と言い、味作りにどんな試行錯誤があったのかを教えてくれました。

まず、にんじんについては、色・味ともに良質で、飲料に適した品種・産地を選び、加工方法を探ります。「いろいろと試すなかで、生のまま潰してジュースにするのではなく、いったん湯通しすると、より甘くなることが分かりました」。さらに、ブレンドするフルーツの種類を増やし、味のバランスを探ります。このとき、決め手になったのがバナナでした。「当時はバナナを飲料に使う発想はありませんでしたが、甘い香りが風味を決定づけるポイントとなったのです」。

こうして誕生したミックスキャロットは多くの反響を呼びます。「販売量がどんどん伸びて、にんじんの確保に苦労しましたね」と振り返ります。

にんじんの配合率をさらにアップ

発売当初のにんじんの配合率は40%。その後、もっとにんじんを飲んでほしいという想いから50%、55%と配合率を上げていき、そして2020年春、ついに60%へ。そのリニューアルの重責を担ったのが商品開発部の清水さんです。2019年に担当を引き継いだ清水さんは「長く愛されている商品の重みをひしひしと感じました」と語ります。

リニューアルにあたり、清水さんが特に大切にしたのが組合員の声。アンケート結果から、これまでのミックスキャロットに対する味の評価が高いことに気付きます。「単純ににんじんを増やすとフルーティーさが弱くなり、今までおいしいと感じていたバランスが崩れてしまいます。バナナやオレンジの配合を微調整するなど、何通りも試しました」。

約1年間の開発期間を経て、ついに新しいミックスキャロットが完成。「素材そのままのおいしさを届けたい」という開発当初からの変わらない想いを受け継ぎながら、組合員の声とともに進化を遂げた商品です。

コープの商品担当者に聞く

日本生協連 菓子飲料部
馬場丈裕

ミックスキャロットは組合員さんの声が特に多く、ポジティブな意見もわざわざ届けていただけるのは、それだけ愛されている証拠だと思います。リニューアルの際、その味を少しでも変えるのは不安もありましたが、おいしさを追求した味をぜひ喜んでもらいたいですね。

#Column

舌と目で品質を厳しく確認

出荷前に行われる大切な検査が、品質を人の舌と目で確認する「官能検査」。社内の官能検査認定制度に合格した社員が5人以上で、ミックスキャロットの味を定期的にチェックします。科学的な分析も行っていますが、機械では検出できないわずかな変化を見逃さず、品質に問題がないことをしっかりと確かめます。

#Column

多彩なレシピも楽しめる!?

ミックスキャロットは飲むだけでなく、お料理にもアレンジ可能。並んでいるのは、ミックスキャロットを使った“フルコース”! 右手前からスープ、ピラフ、ドレッシング、シフォンケーキ、パンナコッタ、ロールキャベツ。料理に加える水分の一部をミックスキャロットに変えることで、風味に甘みが加わります。

ふっくら炊き上がった真っ白なしらす。
異物を取り除く工程ではしらすに直接触れると傷むため、細い専用の器具でていねいに吸い取っていく。

  • 西村晶久さん

    西村晶久さん

    株式会社西村物産 専務取締役

    和歌山県有田市にある創業50年を超える西村物産。いち早く港に加工場を作り、品質を追求した取り組みをしてきました。代表取締役の強さんとともに、最新の技術を取り入れながら、減塩や無塩などニーズに合った商品作りにも取り組んでいます。

ふっくらしらす干し

ふっくらしらす干し

対流式の釜で短時間で炊き上げた、ふっくらとした食感。便利な冷凍・食べ切りサイズ。

小分けになっているので、1回使い切りで料理に使いやすい。

しらすが本当にふっくらしていておいしい。

豊かな黒潮に育まれたしらす

和歌山県の紀伊水道は、南方から暖かな黒潮が流れ込む豊かな海。しらすは餌が豊富なこの海で元気に育ちます。また、黒潮のおかげで冬でも海水温が高く、一年中漁ができる全国でも珍しい漁場です。しらすの不漁が続いた年も紀伊水道のしらすは豊富で、それをきっかけに、長年和歌山でしらすの製造加工を行っていた西村物産と生協とのつながりができました。

専務取締役の西村さんは当時を振り返って、こう話してくれました。「安全・安心を掲げた生協の品質基準、衛生管理基準は他社に比べても格段に厳しく、その厳しさは日本一とも言われていました。おいしいしらすを全国の組合員さんに届けるため、選別機械の導入、炊き上げ技術の向上など、開発・改善に取り組みました」。こうして西村物産の努力とこだわりから大人気商品「ふっくらしらす干し」は生まれたのです。

きっかけは組合員さんの声

カルシウムやたんぱく質など豊富な栄養を手軽に摂取できるしらすは、ぜひ食卓に取り入れたい食品です。「おいしいしらすを、多くの人にもっと手軽に味わってもらうにはどうしたらいいか…」と悩んでいたとき、組合員さんからの声が届きました。「しらすはおいしいし、体にも良いけれど、一度に食べきれず、余ってしまう…」。当時、冷蔵で販売されることが多かったしらすは、スーパーマーケットなどでは100グラム入りでの販売が一般的。足が速いしらすは、一度に食べきれず残ってしまうことがあったのです。「冷蔵から冷凍にすれば賞味期間も長くなり、いつでも出来立ての風味が楽しめるようになるのではないか。解凍しやすく、お茶碗の上にのせてちょうどいい分量の25グラムの個食パックにしてはどうか」。少量個食パックの冷凍商品のアイデアはこうして誕生しました。

水揚げ後約3時間で加工

「ふっくらしらす干し」の特徴は、紀伊水道などで元気に育ったしらすを自社工場で一貫生産しているところです。「新鮮なものをお届けするために考え抜いた結果、水揚げ→輸送→炊き上げ→乾燥→選別→袋詰め→冷凍まで、すべてを自社で行うスタイルにたどり着いたのです」と西村さん。

沖で漁をする船は魚のいる海域を離れずに漁を続け、別の高速運搬船が氷水のコンテナに入ったしらすを港までピストン輸送します。水揚げ後、工場へと運び、ぬめりを取るために水洗いし、すぐに釜炊きの工程へ。この間わずか1時間ほど。港から車で3分のところに工場があるからこそできることです。釜炊き・乾燥・冷凍まで含めると、約3時間で加工されています。

「傷みやすいしらすは鮮度がいのち。鮮度を落とさないよう素早くていねいに加工することにこだわっています」。舌触りが良くふっくらとした、おいしいしらす干しを作るために西村さんが一番大切にしていることです。

家族に食べさせたい商品

「漁場からの輸送、釜炊きや選別作業など、全工程において鮮度を落とさないことに一番気を使っています」。味付けは赤穂の天然塩のみ。製造工程がシンプルで素材に近いがゆえに味もごまかしがききません。鮮度へのこだわりと釜炊きの職人技がそのおいしさを引き出しているのです。

西村さんに、組合員さんへ向けた想いをお伺いしました。「しらす干しの製造にあたっては自分の家族にも食べさせたいと思える商品を作ろうと、従業員全員が仕事に誇りを持ち、商品に自信を持って日々働いています。組合員のみなさんにも自信を持っておすすめできる商品ですのでぜひ食べていただきたいです」。

炊き上げたおいしさをそのまま食卓で味わうことのできる「ふっくらしらす干し」。黒潮の恵みと生産者の想いをたっぷりと感じることができる商品です。

コープの商品担当者に聞く

日本生協連 水産部
高井秀一

昨年パパになったという高井さん。やわらかなしらすは、離乳食を作るのにとても重宝しているそうです。「組合員さんから、しらすの塩分が気になるという声があり、食塩不使用もしくは減塩の商品もラインアップしています。組合員さんからの声に耳を傾け、生産者の方々と日々努力をしてより良い商品を作りたいと思います」。

#Column

最後はやはり人の目で

大事な工程の一つ、選別作業。風力選別機、フルカラー色彩選別機、目視選別、X線検査機、金属探知機と、計5回のチェックを行います。直径3ミリ程度の小さなプラスチック片にも最新の選別機では対応できますが、最後はやはり人の目。「目視の担当者には、ダミーの異物を置きそれを発見するトレーニングを毎朝行っています」と徹底した社員教育もされています。

#Column

独自に開発した特注の釜

巨大な釜から真っ白な湯気が立ち上り、しらすはその中を泳ぐように流れていきます。「流れるプールにも幅や水深などの違いがありますが、同じように釜の幅や深さ、流れるお湯の速さなど、一番おいしく炊ける最良のバランスを見つけ出すために何台も釜を製造しては作り直しました」と話す西村さん。釜へのこだわりは、風味・食感・味を追求し、それを最高のものにしています。

専用のトレーに充てんされたたまごスープ。形が整っているか確認しながらならしていく。

  • 島崎康子さん

    島崎康子さん

    八戸東洋株式会社 取締役社長

    東洋水産の第一研究開発部(現・総合研究所)で即席麺のフリーズドライ具材担当だった際、同じ技術を使用したフリーズドライのたまごスープを開発。「これからも品質重視で、家庭で作るようなたまごスープを目指します」

  • 長谷川紀子さん

    長谷川紀子さん

    東洋水産株式会社 生協部 企画開発課課長

    たまごスープの営業を担う。「同じフリーズドライのもずくスープと同様に、組合員さんにもっと知っていただけるような努力を続けたいです」

たまごスープ

たまごスープ

お湯を注ぐだけでふんわりたまごが広がる、本格派スープ。

お湯を入れるだけなのに、卵がとてもきれいで自分では作れない一品です!

やさしい味で朝でも夜でも飲める、とっても頼りになるスープ。

どんな料理にも合うスープ

1994年の誕生以来、多くの家庭で愛されている「たまごスープ」。「『どんな料理にでも合うスープ』を合言葉に試行錯誤して作りました」と語るのは、開発者である八戸東洋取締役社長の島崎康子さん。

「即席スープは粉末のものが主流だった当時、フリーズドライはまだ高価なものでした。そしてそのようなたまごスープといえば和風味がほとんどで、毎日の食卓に並ぶものではありませんでした。そこで私たちはファミリーを意識し、食事のメニューに左右されないスープにしようと考えたのです」。

たまごスープの魅力は、ふわふわ卵。「ふんわり卵の原点は家庭のかきたま。口に入れたときにふわっと広がる食感にするため、冷凍された加工用の卵などを用いましたが、新鮮な卵に勝るものはありませんでした。また、工場で大量生産するのは難しかったですね。より良いものをと思い、今のふわふわ食感にたどり着くまでには、100回以上試作を重ねました」。

世代を超えて愛される味

こうして生まれたたまごスープの味は、発売当初からほとんど変わっていません。

「モニターの組合員さんに食べていただく機会が多いのですが、『この味が一番』となるんです」と島崎さん。味の秘訣は、卵と相性のいい2種類のチキンエキスを使用していること。

「異なるうまみを持ったエキスを組み合わせることで、奥深いけれど親しみやすい味になっています。食シーンを選ばないため、幅広い世代の方に喜んでいただいています。ありがたいことに世代を超えて愛される『わが家の味』になっているようでうれしいです。2002年にスープのにごりと味の濃さについてお声をいただき、チキンエキスのバランスを微妙に調整しましたが、変えたのはそれくらい。何度食べても飽きないと言ってくださる方が多いんです」。

養鶏場の協力もあってこそ

そんなたまごスープに欠かせないのが新鮮な卵。

「飼育管理を徹底している複数の契約養鶏場の卵のみを使っています。食感や風味を保つため、冷凍ではなく新鮮な液卵を使うのがおいしさの秘訣。液卵生産メーカーとの連携こそが、常に変わらぬ味をお届けできる理由なのです」。

組合員さんに育てられた商品

島崎さんと東洋水産企画開発課課長の長谷川さんが言うのは「組合員のみなさんに育てていただいた商品」ということ。

「フリーズドライという商品にまだ馴染みがなかったころから、生協さんと二人三脚で品質の向上に力を入れてきました。ただ、それだけだとここまで長年愛される商品にはならなかったと思います。そこには、たまごスープのおいしさを理解し、その良さを地道に宣伝してくださった組合員さんがいらっしゃったということ。口コミによってどんどんたまごスープの輪が広がり、今のような成長ができたんだと思います」と長谷川さん。

「これからも引き続き組合員のみなさんにもご協力いただき、たまごスープをどんどん育てていきたいと思っています」と島崎さんが語るように、今後も変わらぬ味を提供するため、たまごスープは成長し続けます。

コープの商品担当者に聞く

日本生協連 加工食品部
北田直樹

多くの人に愛されている商品だと感じることが多いという北田さん。「それにおごらず、今まで以上に愛される商品にしたい。最近、個包装の開封性を改善しましたが、おいしさだけでなく使い勝手など商品全体を通じて手に取りやすいたまごスープを作っていきます」と熱く語ってくれました。

#Column

試作100回超というこだわり

冷凍された加工用の卵などを使用した試作からスタート。「目指すは家庭のかきたまでした。新鮮な卵を入手する環境を整えた後の難関は、ふわふわ食感。スープの粘性の調整や卵を投入するタイミングなどを何度も試行錯誤したり、お湯で溶いたときにかきたまが沈まないようにするなど問題は多く…。それらを経て今があります」(島崎さん)。

#Column

非常時のストックにも

2011年の東日本大震災で注目を集めたのが、軽くてかさばらないフリーズドライスープ。「組合員理事さんから、震災時にお湯があるだけで温かいスープが飲め、心も温まりホッとすることができたという体験談を聞かせていただき、とてもうれしくなりました」(島崎さん)。非常時でもいつもと変わらないスープで笑顔になれる…。いざというときに頼りになります。

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